教えて!山中先生(第1回)
15/09/28
自分の老後をどのように過ごすか不安や悩みを抱えている人も多いはず!そんな疑問・質問に文化センターで高齢期の住まいや資金に関する講座を担当されている山中先生がお答えします。
Q.2015年に介護保険制度が変わりましたが、実際の生活にどんな影響があるのでしょう?
A.介護保険ができて15年になりますが、高齢者の数が増加し、要介護認定される人もとても増えました。結果的に「財源」が非常に厳しい状態になっています。そこで収入の多い人には少しでも負担を多くもってもらおうという流れが基本です。今回の主な改正は、
1.一定の収入(年金のみの場合1人280万円以上目安)の人は1割→2割負担
2.特養ホーム(低価格で入所できる公的介護施設)の入所要件が厳しくなった
3.一定以上の資産や収入のある人は特養ホームの補助金を中止
など、費用に関わる改正が多くありました。この他にも、軽度の要支援1・2の人が使うデイサービスや訪問介護は、各自治体が提供するサービスに移行していきます。これは住んでいる地域によって、今後受けられるサービスの内容や費用が異なってくるということです。全体的に費用の負担が少し重くなる傾向です。ただし低収入の人には軽減措置もありますので、何か心配事があれば一度役所の窓口に相談してみてください。
Q.これから「高齢者の住まい」に住み替えるときの注意点は何でしょうか?
A.1つ目の質問とも関係ありますが、公的介護保険の動向に左右される部分も出てきます。公的施設・民間施設に関わらず、毎年の法改正にも注意です。介護度による入所要件などが厳しくなるかもしれません。さらにここ最近、有料老人ホームなどの不祥事が大きくニュースになっていますが、事業者も経営ですので利益を出すためにはギリギリに切り詰めた経営をしているところもあります。特に人件費や教育費などをおろそかにしているところは心配です。高額施設=良い施設とは限りませんが、単に施設側の「良い話」ばかり信用せず、しっかりと制度や仕組み、内情を確認することが大切です。ぜひ、京都新聞文化センターの講座で学んでください。
つづく…
さらに、もっと詳しく知りたい方は10月18日(日)に開催する「これからの高齢社会をを乗り切るために!介護と老後の資金計画」の講座をおすすめします。