「京都」といえば国際観光都市である京都市のイメージが強いが、府内の地域の多くは過疎高齢化などの課題に直面している。中でも、府北部の7市町(福知山市、綾部市、舞鶴市、宮津市、京丹後市、与謝野町、伊根町)はその傾向が著しい。 だが、どっこい。 　移動や買い物は少々不便でも、若者は仕事やレジャーを楽しみ、高齢者は生きがいを見つけ、充実した人生を歩んでいる。都市部から移り住んでくる人も少なくない。　　　　 　人口予測や経済統計といった数字では表せない多様な「生き方」がある。そんな人々の日常を深掘りすることで、地域の課題や将来展望を考えることはできないか―。それが、本書のもとになった連載企画に込めた意図だった。(本書あとがきより)